石油精製、石油化学、発電設備、化学工業、各種工場には多くの熱を発生する設備があります。
これらは蒸留、反応、移送、貯蔵、などの過程で多くの熱を保持するために断熱工事が必要となります。
高温から低温に至る幅広い範囲で材料、工法の異なる方法を用い、JISや各社の標準施工要領に基づき施工するものです。
その対象設備には次のようなものがあります。
- ●蒸留塔、反応器、熱交換器、ボイラ、タービン、乾燥器、ダクト等
- ●タンク
- ●配管(パイプ、エルボ、フランジ、バルブ等)
- ●ポンプ、ファン
- ●その他断熱の必要な設備
目的によっては火傷防止、防露、凍結防止、防災上必要な場合に断熱工事を行う。
LNGプラントに代表される保冷工事においては、内部が露点温度以下となるため、特に防湿に配慮する必要があります。当社開発製品「ベーパノンシート」は、保冷工事防湿材として最適の性能を有しております。
石油精製・石油化学工場においては、加熱炉、分解炉、排ガス焼却炉、ボイラーなど高温燃焼による加熱設備が必ず設置され、それらの内面は耐火物でライニングされております。
耐火物には耐火レンガ、キャスタブル耐火物、セラミックファイバー等があり、材料によってその施工方法が異なるため、豊富な経験とノウハウに裏打ちされた詳細な設計図に基づいて施工を進めます。
また高温の排ガスを煙道(ダクト)を経て煙突より放出する場合、それらの内面を保護するためにキャスタブル耐火物を吹き付ける耐火工事もあります。
火災が発生した場合に工場内の各種設備の変形、倒壊による二次的災害を防止するために法令により柱、はり、架構、パイプサポートに耐火被覆が義務づけられております。過去にはセメント系が使用されていましたが、現在は成型板による工法が主体になり、当社は「セルシリカ」「ニューセルシリカ」「ファインシリカP」「ニューファインシリカ」で対応しております。
球形タンクの柱の耐火被覆工事も丸型成型耐火被覆材に外装鉄板仕上げで各所で施工しております。
工場内の各種騒音による職場環境や、工場周辺の住環境への配慮のため防音対策を講じる必要があります。
騒音は都道府県条例によって規制基準が定められているため、騒音測定に基づいて吸音・遮音の対策を行う必要があります。
吸音材によるラギング工事で対応できない場合は、鋼製ボックスやサイレンサーで対応しております。
遮音材としては、環境に有害な鉛板の代替品として、開発製品「ノイズシート」を使用しています。
各種工事を行う中で必要に応じた足場仮設、養生工事は、工程管理のうえで重要な工事であります。
労働安全衛生法に基づき作業員が安全に作業ができ、積載荷重、風荷重も十分考慮した足場を仮設しています。
建設工事をはじめメンテナンス工事に所定の期間に組立解体の工事管理が十分対応できる体制をとっています。
工場設備には空調ダクト・廃熱回収や熱風移送ダクト等各種ありますが、断熱・防音にかかわるものに対して設計・製作・据付工事をしております。又ファン設備の設置工事も対応しております。
高温ラインは内部にキャスタブル等の耐火物を施工するものもあります。
工場定期修理工事は一定期間に重要設備の検査、更新、改造工事、充填材の交換等が行われます。各々の専門業者が施工するために必要な足場仮設、保温材、耐火物の撤去、復旧、新設設備の断熱工事等々に対応できる作業員や材料の手配、管理監督等のメンテナンス業務を行います。
保温だけでは温度降下が生じる場合は電気ヒーターを設置して一定温度を保持します。
このヒーティングは食品醸造のような微温保持には面ヒーター(カーボヒーター)が適しています。
また機器、配管の電気式加温システムには温度条件により多種多様な設計、施工を行い、付随する保温工事も含めて全体の熱バランスを維持させております。
工場で使用する粘度の高い原料は加熱することにより粘度を下げることができます。
加温庫のドラム缶やリッター缶に入った原料は常温〜100℃程度に温度保持し自動制御します。
加温された原料は製造過程でのハンドリングが容易になり作業性を高めるとができます。
弊社では加熱方法は蒸気、電気等を熱源とした熱交換器により加熱した空気を循環させる方法を一般に採用しております。